商品開発センターで、主にベーカリー向け業務用プレミックス(パンなどを作る調整粉)の開発を行っています。お客様は、製パンメーカーや流通チェーンなど。最近では、某コンビニエンストアとパンメーカーさんと共同で、コンビニで販売するドーナツを開発しました。通常、ドーナツはパン棚に陳列されていて、他のパンに埋もれがちだったため、棚を区切り、ドーナツの存在をアピールしたいと考え、そこに置けるドーナツを目指しました。ドーナツは、オールドファッションやフレンチクルーラー等など、種類が多く、ミックスも製品によって異なります。パン屋さんやコンビニで売る場合は、包装も大切です。ドーナツショップで売っているものは、ドーナツがそのまま裸で陳列されていますが、コンビニで売る製品は包装しなくてはいけない。「手にとったとき、ベタつかない」「手や口が汚れない」といったようなお客様の立場にたって製法や包装法を考案するのも私たちの役目です。非常に難しい課題で、常に試行錯誤を繰り返しています。
商品企画は、日常生活の中から生まれることが多いですね。開発者個人の経験から。何かを食べて「美味しい!」と感じたり、街を歩いていて「これだ!」と着目したり。マーケティングチームからの市場動向も得て、それも重要な情報源ですが、やはり営業などと一緒に普段から話している中で、企画の芽を掴んでいきます。
今のトレンドは、甘すぎないもの、低カロリーのもの、歯切れのいいもの。そうは言っても、やはり女性は甘いドーナツが食べたい(笑)。そこで、カロリーが高いなら、朝食べればいいじゃないか、という発想が出てきました。朝なら、その日にカロリー消費してしまうし、血糖値が高まって目覚めをよくする。朝にドーナツを食べる生活シーンをイメージし、それに合った商品の開発にも取り組んでいます。
私たちの手がけた商品は、数ヶ月のタームで店頭に並んでいきます。そのひとつひとつが喜びであり、糧となってきました。苦労した商品を店頭で見たときは、感極まりますね。発売日の朝には、出社前にコンビニなどに寄って、買い込んできます。それも仕事ですから(笑)。会社で仲間に見せ、みんなで食べます。他社の製品なども買いますよ。私も含めた大の男たちが、朝からそれを食べる。大切な仕事ですし、みんな至って真剣ですが、光景としては妙ですかね(笑)。
開発をしていると、必ず壁にぶつかります。つい、このへんでいいかと思うこともあります。ただ、妥協せず、常に前に進むのが、私のこだわりです。もちろんボツになる企画も多々あります。そんな経験を重ねるうちに、市場が見えてきて、消費者の好みがわかってくる。企画が成長し、商品化されるまでの道程は長い。だからこそ喜びも大きいのです。
大学時代は農学部ですが、授業はほとんど農作業でした。馬糞を集めて堆肥を作ったり(笑)。今思えば、いい4年間だったと思いますが。食品製造の知識はまったくなく、会社に入ってから覚えたことばかりです。入社が決まり、社会人になったときの嬉しさは今でも忘れません。就職難の時代でもありましたし。スーツを新調し、初めて定期を持ち、会社に向かう。新しい生活が始まる緊張感と興奮は、みなさんもこれから体験されるでしょう。
なかなか趣味という趣味はなく、休みの日は、子供と遊んでいることが多いですね。クルマで買物に行ったり、少し遠出してドライブしたりする程度です。休日でも商品のことが気になり、スーパーやコンビニに顔を出してしまいます。妻が夕食の買物をしている間、私はパンやドーナツの棚へ……視察巡回ルートもしっかり決めております(笑)。